「やめろよっ! チカ兄、嫌がってるじゃねぇかよっ!」
和大が両手を握り締めて男に向かって叫んだ。
「カズちゃん……」
「何だ、お前?」
男が千景の腕を掴んだまま和大を睨みつける。抗うのを諦めた千景が男を制するように、その胸元に手を置いた。
「隣の子。……カズちゃん、大丈夫だから、家に入って」
「……でも」
「大丈夫。別に怖い人とかじゃないから」
「……うん。何かあったら、呼べよな」
「ありがと」
千景は笑って頷いた。
その夜、内容までは分からないが、一晩中隣から男と千景のくぐもった声が聞こえてきていた。和大は自分の名を呼ぶ声だけにアンテナを向け、耳をそばだてるようなことはしなかった。けれども結局あの後千景が和大の名を呼ぶことはなかった。
翌朝、和大が学校へ出掛ける時にはもう車はなくなっていた。
今日も秋晴れのいい天気。和大は今日も遠回りをして帰った。けれどもいつもの土手に千景の姿はなかった。
千景の部屋の前まで来て、和大は立ち止まって一つ、溜息をついた。
チカ兄、大丈夫だったかな……。
事情を、知りたい。もし本当にチカ兄が嫌がっているのなら、力になりたい。
きゅ、と唇を結んで、和大は千景の部屋の扉をたたいた。
「……はい」
「チカ兄、オレ。和大」
がちゃり、と扉が開く。いつものように微笑む千景の姿に、和大は少しほっとする。ほっとしたその矢先、和大の目に留まったのは、千景の首元の、赤い跡。中三の和大にだって、それがなんだかはすぐに分かる。
和大は千景の首元からさっと目線を外し、部屋の中を見渡した。何か様子が違う。いつも雑然としている部屋が妙に片付いている。どこから仕入れてきたのか、大きな段ボール箱が3つ、部屋の端に投げ置かれている。
「チカ兄、何してんの?」
「ん? ……部屋を片付けてたんだ。…カズちゃん、コーヒー飲む?」
「……うん」
千景は服についた埃をぱんぱん、と払ってからやかんを火にかけた。
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「隣の子。……カズちゃん、大丈夫だから、家に入って」
「……でも」
「大丈夫。別に怖い人とかじゃないから」
「……うん。何かあったら、呼べよな」
「ありがと」
千景は笑って頷いた。
その夜、内容までは分からないが、一晩中隣から男と千景のくぐもった声が聞こえてきていた。和大は自分の名を呼ぶ声だけにアンテナを向け、耳をそばだてるようなことはしなかった。けれども結局あの後千景が和大の名を呼ぶことはなかった。
翌朝、和大が学校へ出掛ける時にはもう車はなくなっていた。
今日も秋晴れのいい天気。和大は今日も遠回りをして帰った。けれどもいつもの土手に千景の姿はなかった。
千景の部屋の前まで来て、和大は立ち止まって一つ、溜息をついた。
チカ兄、大丈夫だったかな……。
事情を、知りたい。もし本当にチカ兄が嫌がっているのなら、力になりたい。
きゅ、と唇を結んで、和大は千景の部屋の扉をたたいた。
「……はい」
「チカ兄、オレ。和大」
がちゃり、と扉が開く。いつものように微笑む千景の姿に、和大は少しほっとする。ほっとしたその矢先、和大の目に留まったのは、千景の首元の、赤い跡。中三の和大にだって、それがなんだかはすぐに分かる。
和大は千景の首元からさっと目線を外し、部屋の中を見渡した。何か様子が違う。いつも雑然としている部屋が妙に片付いている。どこから仕入れてきたのか、大きな段ボール箱が3つ、部屋の端に投げ置かれている。
「チカ兄、何してんの?」
「ん? ……部屋を片付けてたんだ。…カズちゃん、コーヒー飲む?」
「……うん」
千景は服についた埃をぱんぱん、と払ってからやかんを火にかけた。
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ナニしてたのよぅ!
切ないかおりぷんぷんだぁ…
なにをどうねばっても、
わたしの頭脳に『切ない』を
作り出す工場はないそうです。
でもいいの(´∀`)
ここで補充させてもってますからv