しばらくそのままじっと黙った後、ぽつりと智裕が呟いた。
「……ケガ人、出ちゃったよ……」
皓市の肩越しに小さく息を吐く。
――ったく。怪我したやつ、殺してやりてぇくらいだな。智裕をこんなにさせやがって。
「……泣くなって」
皓市はこんな時でもいつもと変わらないさらりとした智裕の髪を一撫でして、智裕のこめかみに唇を押し当てた。
「別に泣いてはっ……」
皓市の腕の中で智裕が身じろぐ。
「ちょっ」
……ちゅ。腕に力を込めて智裕の動きを封じ込め、小さな音を立てて額にキスをする。
「お」
……ちゅ。右頬に。
「し」
……ちゅ。左頬に。
「に」
……れろん。一呼吸置いて、仕上げは唇に。
「乗るな〜〜っ!!」
――ぼかっ!!
キスの度にだんだん紅潮し、最後には真っ赤に頬を染めた智裕からのお返しは、渾身のアッパーカットだった。皓市は、じいん、と痺れの残る顎をさすり、濡れた口元をごしごし手で拭う智裕ににっと笑みを向けた。
「元気、出ただろ?」
「……え?」
「俺のキスで」
「誰がっ!」
智裕がベッドの枕を皓市に向かって投げつける。皓市はまるでそれを予測していたかのようにひょいと避けた。
「……じゃな」
部屋のドアから顔だけ出して最後に一言、そう言い残して皓市は智裕の部屋を後にした。
外から智裕の部屋を見上げる。
「……ごちそうサマ」
皓市は軽い足取りで智裕の家から自宅へ続く住宅街の道を歩きだした。
あのあと智裕がどういう表情で何を想っているかなんて、手に取るように分かる。
――投げつけた枕拾ってぎゅっとか抱き締めちゃったりしてるに違いない。
「……もう一押し、ってとこ?」
にやり、と笑って空を仰ぐ。見慣れた道から見上げる夜空は、やっぱり見慣れた具合に外灯の光で邪魔されて少ししか見えない星たちが、それでもちかちかと瞬いている。
皓市は胸ポケットから煙草を取り出し、誕生日に智裕からもらったライターでしゅぼ、と火を点けた。
――いつでも俺がいるから。
――お前がいつも俺の傍に居てくれるように。
皓市は智裕から奪ったエネルギーで満たされたかのような笑みを浮かべて、家に向かってたっと走り出した。
おしまい
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「……泣くなって」
皓市はこんな時でもいつもと変わらないさらりとした智裕の髪を一撫でして、智裕のこめかみに唇を押し当てた。
「別に泣いてはっ……」
皓市の腕の中で智裕が身じろぐ。
「ちょっ」
……ちゅ。腕に力を込めて智裕の動きを封じ込め、小さな音を立てて額にキスをする。
「お」
……ちゅ。右頬に。
「し」
……ちゅ。左頬に。
「に」
……れろん。一呼吸置いて、仕上げは唇に。
「乗るな〜〜っ!!」
――ぼかっ!!
キスの度にだんだん紅潮し、最後には真っ赤に頬を染めた智裕からのお返しは、渾身のアッパーカットだった。皓市は、じいん、と痺れの残る顎をさすり、濡れた口元をごしごし手で拭う智裕ににっと笑みを向けた。
「元気、出ただろ?」
「……え?」
「俺のキスで」
「誰がっ!」
智裕がベッドの枕を皓市に向かって投げつける。皓市はまるでそれを予測していたかのようにひょいと避けた。
「……じゃな」
部屋のドアから顔だけ出して最後に一言、そう言い残して皓市は智裕の部屋を後にした。
外から智裕の部屋を見上げる。
「……ごちそうサマ」
皓市は軽い足取りで智裕の家から自宅へ続く住宅街の道を歩きだした。
あのあと智裕がどういう表情で何を想っているかなんて、手に取るように分かる。
――投げつけた枕拾ってぎゅっとか抱き締めちゃったりしてるに違いない。
「……もう一押し、ってとこ?」
にやり、と笑って空を仰ぐ。見慣れた道から見上げる夜空は、やっぱり見慣れた具合に外灯の光で邪魔されて少ししか見えない星たちが、それでもちかちかと瞬いている。
皓市は胸ポケットから煙草を取り出し、誕生日に智裕からもらったライターでしゅぼ、と火を点けた。
――いつでも俺がいるから。
――お前がいつも俺の傍に居てくれるように。
皓市は智裕から奪ったエネルギーで満たされたかのような笑みを浮かべて、家に向かってたっと走り出した。
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一押しどころか、そのまま後ろに
押し倒してもよかろう!!
おいちゃんが許可書だしちゃる!
や〜
若いって何よりの宝ですね(´`)
ベラさんとこの高校生は、なぜに
みんなこんなかわいいのだ!!
あんたたち、おばちゃんとこおいで!
うまい米たらふく食わしたるっけ!