「――ただいま」
こんなに小さな声なのに寒々しい一人暮らしの玄関には耳に痛いくらいに自分の声が響く。陣内はよろよろと寝室に入ると、背広を脱ぎ捨てて力なくベッドに横たわった。
今日坂崎はここには来ない。友人と飲みに行く、と言っていた坂崎の声を思い返す。その声には言葉通りに受け止められないよそよそしさがあった。極め付けは『ありがとうございました』という言葉。遅くなっても良いから来れないか、と聞こうとした矢先、電話を切られた。
――何が悪かったんだろう。
石田に呼び出される所を坂崎は見ていた。誤解を与えてしまったんだろうか。それとも全く別に何か理由が。
ずっと好きだった石田からやっと好きだと言われた時には坂崎を好きになっていた。なのにその坂崎からは二人の関係の終わりを告げるような言葉を聞かされた。己のタイミングの悪さに自己嫌悪に陥いらずにはいられない。
「もう少し早く坂崎に話をしてればこんな事にならなかったのかな」
ごろん、と寝返りをうって横を向く。自らの腕を枕に何もない壁を見つめているとじわりと視界が歪んだ。
「着替えないと……」
次々溢れてきそうになる涙を振り切るために、自分を叱咤するように独りごちて立ち上がる。床に落とされた背広をのろのろと拾い上げた時、内ポケットに入れたままだった携帯が震えた。
「坂崎……」
ウィンドウに表示された発信者名に、期待と不安が入り交じる。陣内は携帯を開くと、震える指先で通話ボタンを押した。
「はい」
「陣内さん、坂崎です」
「ん……」
「今から行って良いですか?」
「うん……」
「鍵、開けといて下さい」
「分かった」
「じゃあ後で」
それだけで電話は切れた。拭い切れない不安を胸に着替えを済ませ、玄関の鍵を開けた。その途端、ドアが引き開けられた。
「坂崎……」
電話があってからほとんど時間は経っていない。最寄り駅を下りてから電話したんだろう。走ってきたのか、荒い呼吸で肩を上下させた坂崎が立っていた。
「陣内さん俺……」
陣内を見詰める坂崎の視線には、まだ不安の色が混じって見える。その不安げな視線が、坂崎がまだ陣内を愛していると陣内に告げているようで、陣内は少し安堵した。
「坂崎、来てくれてありがとう……」
まだ肩で呼吸する坂崎の心音を確かめるように、陣内はそっと坂崎の胸に手を置いた。
「陣内さん、俺で、いいの?」
「少しずつ好きになって欲しい、って言ったのは、坂崎じゃないか。こんなに坂崎の事、好きにさせておいて……」
それはないだろ、と陣内がその顎を坂崎の肩に乗せた。
今回の↑のシーン、「とりかき。」のあつきさんがイラストにしてくだしました!
コチラ←美しすな坂崎×陣内どうぞご堪能くだちぃv
←25へ戻る ・
27へ進む→1から読む→石田・陣内につきましてはこちら→
コイゴコロヒトツ坂崎・陣内につきましてはこちら→
コイゴコロフタツ↓よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってますv

今日坂崎はここには来ない。友人と飲みに行く、と言っていた坂崎の声を思い返す。その声には言葉通りに受け止められないよそよそしさがあった。極め付けは『ありがとうございました』という言葉。遅くなっても良いから来れないか、と聞こうとした矢先、電話を切られた。
――何が悪かったんだろう。
石田に呼び出される所を坂崎は見ていた。誤解を与えてしまったんだろうか。それとも全く別に何か理由が。
ずっと好きだった石田からやっと好きだと言われた時には坂崎を好きになっていた。なのにその坂崎からは二人の関係の終わりを告げるような言葉を聞かされた。己のタイミングの悪さに自己嫌悪に陥いらずにはいられない。
「もう少し早く坂崎に話をしてればこんな事にならなかったのかな」
ごろん、と寝返りをうって横を向く。自らの腕を枕に何もない壁を見つめているとじわりと視界が歪んだ。
「着替えないと……」
次々溢れてきそうになる涙を振り切るために、自分を叱咤するように独りごちて立ち上がる。床に落とされた背広をのろのろと拾い上げた時、内ポケットに入れたままだった携帯が震えた。
「坂崎……」
ウィンドウに表示された発信者名に、期待と不安が入り交じる。陣内は携帯を開くと、震える指先で通話ボタンを押した。
「はい」
「陣内さん、坂崎です」
「ん……」
「今から行って良いですか?」
「うん……」
「鍵、開けといて下さい」
「分かった」
「じゃあ後で」
それだけで電話は切れた。拭い切れない不安を胸に着替えを済ませ、玄関の鍵を開けた。その途端、ドアが引き開けられた。
「坂崎……」
電話があってからほとんど時間は経っていない。最寄り駅を下りてから電話したんだろう。走ってきたのか、荒い呼吸で肩を上下させた坂崎が立っていた。
「陣内さん俺……」
陣内を見詰める坂崎の視線には、まだ不安の色が混じって見える。その不安げな視線が、坂崎がまだ陣内を愛していると陣内に告げているようで、陣内は少し安堵した。
「坂崎、来てくれてありがとう……」
まだ肩で呼吸する坂崎の心音を確かめるように、陣内はそっと坂崎の胸に手を置いた。
「陣内さん、俺で、いいの?」
「少しずつ好きになって欲しい、って言ったのは、坂崎じゃないか。こんなに坂崎の事、好きにさせておいて……」
それはないだろ、と陣内がその顎を坂崎の肩に乗せた。
今回の↑のシーン、「とりかき。」のあつきさんがイラストにしてくだしました!
コチラ←美しすな坂崎×陣内どうぞご堪能くだちぃv
←25へ戻る ・
27へ進む→1から読む→石田・陣内につきましてはこちら→
コイゴコロヒトツ坂崎・陣内につきましてはこちら→
コイゴコロフタツ↓よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってますv
やーアレですね、
バツイチプレイボーイの告白がもっと早かったら…
じゃなくて坂崎に早く話してたら…な後悔(*´Д`)
愛ですね!!!
陣内サンアゴ肩に乗せとる(;´Д`)カワイ…ハァハァハァ
ここ一番の押しは弱いが、ここ一番で押し倒すっ
腕っ節って大事です。よ。ネ☆にこ☆