「坂崎、今日ちょっと飲み行かねぇ?」
喫煙室で一緒になった石田が、坂崎に声をかけてきた。
坂崎は入社時から知っている同期の男の顔を見た。石田は学生時代ボート部に所属し、国体にも出た程の実力の持ち主だと聞いている。体格も良く、体力も精神力もある男である。その石田が今は、どこか覇気の感じられない表情で煙草をくゆらせている。
――仕事か、プライベートか。
今日は金曜日。何もなければ金曜は陣内の部屋に行く事が最近の坂崎と陣内の約束事のようになっていた。けれども久々の、しかも石田の誘いだ。坂崎が断ったら部署の先輩である陣内に声を掛けるかも知れない。――それは阻止しておかなければ。
そんなところにまで坂崎の考えは及んだ。
――陣内さんには遅くなるけど行く、ってメールして、今日の所は行っておくか。
「久々じゃん? いいよ。仕事早く終わらせろよ」
軽く頷いて煙草をにじり消し、まだ長さを残す煙草をぼんやりと手にしたままの石田の肩をぽん、と叩いて喫煙室を後にした。
「お疲れ」
「おう、お疲れ」
職場から程近い焼き鳥屋チェーンのやたら長いカウンターの二席で、石田と坂崎はビールの大ジョッキをガチリと合わせた。
オフィス街近くのこの店は焼き鳥屋と言えどもかなり広く、職人を取り巻いて周囲全部がぐるりとカウンター席でさながら回転寿司の店内のようだ。さらにその両横には大きなテーブル席が十近くあり、そのどれもに客が入っている。店員と客の声、BGMに鳥の焼ける音が入り交じってかなり賑やかで、遠くの席には同じ会社の別フロアの人間も見られる。けれどもこの賑わいの中なら込み入った話をしても、返って誰にも聞かれる事はないだろう。
適当に注文を済ませ、一日の乾きをビールで癒してから二人とも煙草に火を点けた。
「二人で飲むなんてマジで久々じゃね? 最近どうよ? 相変わらず残業と接待の日々っぽいけど」
――まずは無難な所から。
坂崎は煙越しに石田を伺った。
「ああ。M社の購買がな……無茶言ってくるんだよなぁ。凄ぇ厳しい事言うわりにしょっちゅう俺の事飲みに誘ってくるし」
「気に入られてんじゃん?」
「そうかも知んねぇけど。……ぶっちゃけありがた迷惑なんだって。俺そんなに仕事早くねぇから飲んでる時間残業に宛ててぇんだよな」
「丁寧過ぎるんだろ、お前」
坂崎は『一本の指でパソコンのキーボードを二つ押してしまうのでは』とよく周囲から揶揄されている、石田の武骨な手を見た。
――陣内さんが、欲しがっているもの。
石田を睨み付けそうになっていた坂崎の視線を、焼き上がった串の乗った皿が遮った。はっとして目を瞬かせ、伸びていた煙草の灰を灰皿に落とす。
「じゃあんま平日はゆっくり家で、ってわけにはいかねぇな。奥さん怒ってね?」
「んー……そういう事、理解ある方だったんだけど……」
最近さすがに、と石田は苦笑した。
「独身寮戻る事になったらまたよろしくな」
作り笑いと分かる笑みでそう零し、石田は串を頬張った。
今回あまりにも萌えがないので。
坂崎×石田で石田陵辱。とか言ってみるテストwwwwwwww←9へ戻る ・
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――仕事か、プライベートか。
今日は金曜日。何もなければ金曜は陣内の部屋に行く事が最近の坂崎と陣内の約束事のようになっていた。けれども久々の、しかも石田の誘いだ。坂崎が断ったら部署の先輩である陣内に声を掛けるかも知れない。――それは阻止しておかなければ。
そんなところにまで坂崎の考えは及んだ。
――陣内さんには遅くなるけど行く、ってメールして、今日の所は行っておくか。
「久々じゃん? いいよ。仕事早く終わらせろよ」
軽く頷いて煙草をにじり消し、まだ長さを残す煙草をぼんやりと手にしたままの石田の肩をぽん、と叩いて喫煙室を後にした。
「お疲れ」
「おう、お疲れ」
職場から程近い焼き鳥屋チェーンのやたら長いカウンターの二席で、石田と坂崎はビールの大ジョッキをガチリと合わせた。
オフィス街近くのこの店は焼き鳥屋と言えどもかなり広く、職人を取り巻いて周囲全部がぐるりとカウンター席でさながら回転寿司の店内のようだ。さらにその両横には大きなテーブル席が十近くあり、そのどれもに客が入っている。店員と客の声、BGMに鳥の焼ける音が入り交じってかなり賑やかで、遠くの席には同じ会社の別フロアの人間も見られる。けれどもこの賑わいの中なら込み入った話をしても、返って誰にも聞かれる事はないだろう。
適当に注文を済ませ、一日の乾きをビールで癒してから二人とも煙草に火を点けた。
「二人で飲むなんてマジで久々じゃね? 最近どうよ? 相変わらず残業と接待の日々っぽいけど」
――まずは無難な所から。
坂崎は煙越しに石田を伺った。
「ああ。M社の購買がな……無茶言ってくるんだよなぁ。凄ぇ厳しい事言うわりにしょっちゅう俺の事飲みに誘ってくるし」
「気に入られてんじゃん?」
「そうかも知んねぇけど。……ぶっちゃけありがた迷惑なんだって。俺そんなに仕事早くねぇから飲んでる時間残業に宛ててぇんだよな」
「丁寧過ぎるんだろ、お前」
坂崎は『一本の指でパソコンのキーボードを二つ押してしまうのでは』とよく周囲から揶揄されている、石田の武骨な手を見た。
――陣内さんが、欲しがっているもの。
石田を睨み付けそうになっていた坂崎の視線を、焼き上がった串の乗った皿が遮った。はっとして目を瞬かせ、伸びていた煙草の灰を灰皿に落とす。
「じゃあんま平日はゆっくり家で、ってわけにはいかねぇな。奥さん怒ってね?」
「んー……そういう事、理解ある方だったんだけど……」
最近さすがに、と石田は苦笑した。
「独身寮戻る事になったらまたよろしくな」
作り笑いと分かる笑みでそう零し、石田は串を頬張った。
今回あまりにも萌えがないので。
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大人の恋に、駆け引きは付き物ですからね! (…)
でも意外と石田さんも、何か考えてる様子ですか!?
ますます目が話せないって感じです。。。