冬のコンビニ。ドアを開けた途端店内に漂う香りがダイレクトに鼻に来る。
漫画雑誌の発売日と塾が重なる水曜日、二人はいつも一緒に塾帰りこのコンビニに立ち寄る。
「おでん食わへん?」
大きく息を吸い込んで、くる、と振り返って良充は弾んだ笑顔で問い掛けた。
「……おう、食お食お」
その笑顔に暫し見とれた後、ニ、三度瞬きをして啓輔は頷いた。
ほかほかあったかおでんの容器を携えて近くの公園のベンチに腰掛ける。蓋を開けると湯気と共に再び香りが立ち込めた。けれども公園の木々をざぁ、と鳴らして駆け抜けた冷たい風に、その香りもあっという間に持っていかれてしまう。目を細めてその風を遣り過ごし、啓輔が持った容器から筋の串をひょい、と取り上げて良充が嬉しそうに噛り付く。
「お……、旨い。啓輔も食えよ」
食べ終えた串を袋に投げ捨てて、次の獲物を物色するため良充が容器に手を添える。容器の熱で温まった啓輔の指先に良充の冷えた指先がふと、触れた。二人の指先がぴく、と小さく震える。
「……す、……」
良充がはっとしたように顔を上げると手を引いて拳を作った。
「……ノボ、行きたいよな」
遠い雪山を思うように空を見上げ、ぽつりと呟く。
「……うん、そやな」
引いた手を見送って、おでんの容器を持ったままの啓輔は良充の手を握るかのようにゆるく指先に力を込めた。容器は少しふにゃりと歪み、ほんの少し触れた良充の手の冷たさがじんわりと熱を帯びて身体中に広がる。
互いに握らずに握り合った手は胸まで温める。
冬は、寒いほど暖かい。
おしまい
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「おでん食わへん?」
大きく息を吸い込んで、くる、と振り返って良充は弾んだ笑顔で問い掛けた。
「……おう、食お食お」
その笑顔に暫し見とれた後、ニ、三度瞬きをして啓輔は頷いた。
ほかほかあったかおでんの容器を携えて近くの公園のベンチに腰掛ける。蓋を開けると湯気と共に再び香りが立ち込めた。けれども公園の木々をざぁ、と鳴らして駆け抜けた冷たい風に、その香りもあっという間に持っていかれてしまう。目を細めてその風を遣り過ごし、啓輔が持った容器から筋の串をひょい、と取り上げて良充が嬉しそうに噛り付く。
「お……、旨い。啓輔も食えよ」
食べ終えた串を袋に投げ捨てて、次の獲物を物色するため良充が容器に手を添える。容器の熱で温まった啓輔の指先に良充の冷えた指先がふと、触れた。二人の指先がぴく、と小さく震える。
「……す、……」
良充がはっとしたように顔を上げると手を引いて拳を作った。
「……ノボ、行きたいよな」
遠い雪山を思うように空を見上げ、ぽつりと呟く。
「……うん、そやな」
引いた手を見送って、おでんの容器を持ったままの啓輔は良充の手を握るかのようにゆるく指先に力を込めた。容器は少しふにゃりと歪み、ほんの少し触れた良充の手の冷たさがじんわりと熱を帯びて身体中に広がる。
互いに握らずに握り合った手は胸まで温める。
冬は、寒いほど暖かい。
おしまい
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甘酸っぱいすね〜(*´Д´)
触れ合った指先から…こう…
性旬だな(´∀`)
プラトニックなふたりの空気に
駅前歩く高校生をねっとりと
眺めたい衝動に駆られてしまう
ダメな大人代表、Yes、ハナです